こんにちは!図書館学習サポーターのY.Kです。
大学生として身につけておきたい、レポートの書き方について解説していきます。
ここでは特に理系向けの実験レポートの書き方について説明していきます。
はじめに
まず、レポートの体裁として
- 手書きの指定が無ければWordなどの文章作成ソフトを利用すること
- 手書きの場合必ずボールペンを使用すること(消えるボールペンはダメ)
- である、ですますを統一すること
- ページ番号を振ること
以上に気をつけましょう。
次に構成は
レポートの表紙から
- 目的
- 理論
- 実験方法
- 実験結果
- 考察
- 参考文献
が好ましいです。
レポートの表紙
最低限必要なもの
- 講義名
- 課題・実験の名称
- 実験日またはレポートの出題日
- 提出日
- 学籍番号、名前
- 共同実験者の学籍番号と名前
となります。
1.目的の書き方
実験の内容を簡潔にまとめます。
目的だけ読んでも内容が予測できるように
- 対象の説明
- 重要性、問題点の明確化
- 実際に行うことの説明
例 目的(凝固点降下の実験)
溶液の凝固温度は一般に純溶媒の凝固温度より低い。この現象は凝固点降下と呼ばれ,沸点上昇等とともに多成分系の相平衡の解析に重要である。
このため本実験では,凝固点降下の現象がどのように起こるかを観察する。また実験によって得られた凝固点降下ΔTから水のモル凝固点降下を求め,その値を文献値と比較検討する。
2.理論の書き方
実験の目的を達成するために用いた理論または原理をまとめます。
理論の前提条件,仮定,基本的な考え方を示します。
例
・物理量の記号、座標などの定義
・モデルの説明
・理論式の導出過程
3.実験方法の書き方
- 実験全体の説明(図などで分かりやすく示す)
- 装置,計測方法・原理,材料,条件等の説明
例
・ 実験の詳細(装置型番など)→再現性
・ 箇条書きにしない
・ 実際に行ったことは過去形で書く
4.実験結果の書き方
- 実験の事実(データ・解析結果)を分かりやすく示す
- 計算過程を示す
- 観察事項を書く
事実を書くことに徹しましょう。
自分の考えや先入観はいっさい挟まないように注意してください。
データを表あるいはグラフでまとめる時は…
!有効数字,単位(SI単位系)に注意
!直線化の工夫,対数グラフ
5.考察の書き方
以下のようなものは考察になりません。
- 実験方法や内容の説明 →実験項目へ
- 「面白かった」「難しかった」「今度はこういうのをやりたい」 →感想
- 「時間がなくてできなかった」「機械が壊れてうまく動かなかった」→言い訳
- 主観的すぎる考え →科学的記述は客観的記述
考察を書く時のポイントとして、
- 仮説・理論から考えられることと実験結果との比較
- 方法の比較(条件や実験方法)
- 誤差の分析
- 実験の問題点及び改善点
- 結果の応用
- 関連する理論の引用
が挙げられます。
6.参考文献の書き方
参考文献の書き方についてはこちらの記事をご参照ください!
参考文献
・藤松信義(東洋大学). “実験レポートの書きかた”.機械工学実験Ⅱ補助資料 .
http://www2.toyo.ac.jp/~fujimatsu/kikai2/EXP_report.pdf
, (参照 2021-10-27).
ここで図書館入ってすぐ左手のアカデミック・スキルズコーナーにある本を二つ紹介!
一つ目は大学生のための論文・レポートの論理的な書き方(渡邊淳子著)です。
基本的なレポートの書き方を例を交えながら具体的に知ることができるのでおすすめです。
二つ目は工学系卒論の書き方(別府俊幸・渡辺賢治 共著)です。
卒論なんてまだ先・・と思うかもしれませんが、この本はレポートでも役に立つ、気を付けるべきことが網羅されています。良い例と悪い例が示されているので実際に自分の書いているレポートが正しいか判別しやすいです。レポートの基本がわかってきたらこの本でさらに細かい部分も改善していきましょう!
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