こんにちは、自然研M1のY.Yです。
私は、中学校教員志望であり、昨年度(学部4年時)に教員採用試験を受験しました。合格・大学院卒業までの採用猶予を頂き、大学院に進んでいます。
最終的には合格できましたが、楽に合格できたわけではありません!
高校入試や大学入試は学校の先生の指示に従って対策を進めれば良かったのですが、教員採用試験の対策は「自分自身で」対策を計画・実行しなければならないため、不安だらけでした。
同じような不安を抱えている教採受験者の参考になればと思い、「私の経験」を書いてみようと思います!
受験した自治体・校種・教科
私は、山形県の中学校理科教諭の採用試験を受験しました。当時の試験日程・試験科目は次のようになっていました。
- 1次試験(7月18日)
教職・一般教養(100点)、専門科目(150点)、(※集団討論も予定されていたが、感染症拡大防止のため中止)
- 2次試験(9月9日)
個人面接1(240点)、個人面接2(160点)、作文(50点)、(※模擬授業も予定されていたが、感染症拡大防止のため中止)
※他の自治体と比べると試験日が遅く、2次試験の配点が高めでした。
学習スケジュール
私が教採対策を本格的に始めたのは、3年生の2月です。早い人は3年生の夏休み頃から少しずつ対策を始めていましたが、私は第4タームの試験後からのスタートでした。
対策を始めた当初は「もっと早くから始めればよかった!」と思っていましたが、試験時にはかなり自信がある状態に仕上がっていました。私がいつ・何を勉強していたかの概要を下の表にまとめておきます。
まず1番に行ったことは「過去問分析」です。
教員採用試験の問題は、自治体によって出題範囲や出題形式、難易度が全然違います。
まずは受験自治体の過去問に目を通し、敵を知ることでその後の学習計画が立てやすくなります。私は、数年分の過去問を見て出題範囲と形式を確認した後に、実際に1年分だけ解いてみて難易度を確認していました。
過去問分析後は、各分野「知識の詰込み」→「過去問演習」の順で私は対策を進めました。私が行った各分野の具体的な対策について、これから書いていきます。
(※過去問を解いて分からなかった問題とその関連分野をその都度復習するといった勉強法の友人も多くいました。)
教職教養・一般教養対策
まずは、教職教養・一般教養対策で使った教材を紹介しておきます。
知識の詰込み
主に「教員採用試験らくらくマスター」を使って行いました。要点が簡潔にまとまっていて、赤シートを使いながら繰り返し確認をできたので使いやすかったです。
教職教養は1冊すべてに目を通しましたが、一般教養は自分の苦手な分野のみ確認しました。私は文系科目が苦手で、社会・国語の対策には「30日完成」といった教材も活用していました。
問題演習
5月以降の演習期間は、主に「受験自治体の過去問」を進めました。15年分の過去問が載っていますが、教職教養の内容(特に指導要領や条例、答申)は年々変わっていくため、教職の問題は数年分しか解いていません。その代わりに、雑誌「教職課程」「教員養成セミナー」の対策問題を解いていました。
その他
私が受けた自治体は教職教養の出題が多く、暗記には苦労しました。ちょっとした時間に教採対策系のyoutubeチャンネルを見て復習をしていたのですが、そのチャンネルがとても便利だったため紹介しておきます(↓)。
専門対策
まずは使った教材の紹介です。
知識の詰込み
「ステップアップ問題集」を使って知識の確認をしました。物・化・生・地・学習指導要領の各分野の要点と確認問題が載っているコンパクトな問題集です。また、この問題集と並行して高校生向けの各分野の参考書での確認も行い、基礎事項の抜けがないようにしていました。
問題演習
「受験自治体の過去問」は7年分解きました。その後は、前年度の全国の過去問がピックアップされた「全国まるごと過去問題集」を解きました。1度解くだけではなく、間違えた問題を中心に何回も繰り返し解くことで理解度が上がっていった気がします。
作文・面接対策
エントリーシート記入
教採の出願時に「エントリーシート」の提出が必要でした。私が受験した自治体では、エントリーシートに、
- 教員を志望する理由
- 教員として頑張りたいこと
- 自分の長所や教員への適性
を記入することになっていて、これは面接試験にも関わってくる大事な書類です。教職支援センターの先生との相談も何度か行い、自分の意志がしっかり伝わるエントリーシートを作成しました。教職支援センターについては、最後の章に情報を書いておきます。
作文練習
作文練習は2次試験直前に数回行いました。受験自治体の過去問を見て時間と文字数を把握し、過去に出題された題材で実際に作文を書く練習を行っていました。書く内容に関しては面接試験で話す内容と一致するので特別な対策はせず、時間内に決められた文字数を書くことに的を絞って対策していました。実際に作文を書いてみると頭の中が整理され、作文練習は面接にもプラスになりました。
面接練習
基本的には学科の友人達と模擬面接を行って対策しました。これも1次試験が終わってから対策を始めましたが、対面もしくはZoomで2日に1回くらいのペースで模擬面接をしました。最初は全然上手く話せませんでしたが、回数を重ねると少しずつ話せるようになっていき、実際に話す回数を増やすことが重要でした。自分が面接官役になって友人の回答を聞くことも、様々な点で自分のためになりました。
また、回答を考えるにあたっては、雑誌「教職課程」「教員養成セミナー」を読んで最近の教育問題に関する基礎知識を頭に入れたり、受験自治体の教育方針や施策を確認したりしていました。
やってよかったこと・反省点
教採対策全体を通してやってよかったこと・反省点をそれぞれいくつか挙げておきます。
やってよかったこと
- 「計画立て」:教採対策では短い期間で様々な内容を確認しなければなりません。何をいつまでに確認するかを計画しながら進めることで、怠けすぎず・焦りすぎず・着実に対策を進めることができました。
- 「友人との進捗確認」:教採を受ける友人達と進捗を確認し合いながら対策を進めていました。1人で勉強をし続けるのは苦ですが、一緒に頑張る人達がいるとモチベーションが上がります。精神面で大きな支えになりました。
反省点
- 「面接練習の質」:上でも書いたように、私は友人達と模擬面接をして面接対策をしていました。身近な友人と対策をしていた分、回数は重ねられましたが、本番と比べると緊張感は劣ります。「教職支援センター」の相談を効果的に用いるなど、本番さながらの練習も取り込めていければさらに良かったのではないかと思っています。
役立つ情報
教採対策に役立つ学内のサポートを3つ紹介します。
1.教職支援センターの教職相談
教職支援センターの教職相談では、「論作文指導」「書類作成支援」「面接対策」を担当の先生方に行っていただけます。私が利用した際も、親身かつ効果的な指導をしていただきました。
教職相談は予約制です。利用方法については、学務情報システムのダウンロードタブにある「教職相談について」のフォルダを確認して下さい。
2.過去問ダウンロード
これも教職支援センターによるサポートで、過去5年分の全自治体の過去問(問題用紙・解答用紙・正答例)をダウンロードすることができます。サイトでは「学内専用」となっていますが、学務情報システムのID・パスワードでログインすることで学外でもダウンロードすることができます(※2022年1月現在)。
3.図書館にある過去問・参考書
附属図書館(中央館2F:教職コーナー)にも教員採用試験の過去問や参考書が多数おいてあり、貸出可能です。全自治体・全科目分の過去問があるわけではないですが、新潟県(市)や近隣の自治体の過去問を中心においてあります。附属図書館においてある過去問・参考書をいくつか挙げておきます。
最後に
教採対策は決して楽ではありません。しかし、地道に努力すれば確実に力が付き、合格に1歩ずつ近づきます。「良い先生になるために」コツコツ頑張りましょう!
何か相談があれば、図書館学習サポーターの学習相談もぜひご利用ください。
※この記事の著作権は新潟大学附属図書館に帰属します。
※この記事の無断転載は禁止します。