アブラムシ is not DEAD

新大生の皆さんこんにちは!

最近体重が100kgに行ってしまいリザードンより重くなりました自然科学研究科2年のS.Hです🐷

 

私は現在植物病理学を専門に研究していますが、今回は私が実験で用いている

「アブラムシ」について記事を書いていきたいと思います!

もはや私の相棒とも言えるアブラムシについて記事を書けるなんて嬉しいですね〜

この記事を通して少しでもアブラムシに興味を持ってもらえたら嬉しいです!

 

〜コンテンツ〜

の三本立てでお届けします!

 

 

 

①アブラムシってそもそも何?

まず私が実験で飼っているアブラムシの写真を皆さんに見せられたらと思います。

植物についている黒い粒々は全てアブラムシです!

顕微鏡でアップで撮ったのがこんな感じです!意外と可愛らしい顔していますよね!

 

アブラムシを一言で言うと、、、「害虫」です!

アブラムシは半翅目で、半翅目とは、口器が針状の吻で(口が針状になっている)植物の師管液を吸汁して生存しています。

アブラムシはなんと、無性生殖が可能でクローンを産み続けて生きています。

生まれたときにはすでに自分の子供を宿しており、生まれてから10日ほどで出産可能になり1日に5匹程度出産します。

また、植物あたりの個体数が増えて個体群密度が増加すると、翅の生えたクローンを生み出し、長距離の移動をしてどんどんと生存範囲を広げていきます。

寒くなってくると雄を産み、有性生殖をすることで遺伝的多様性を生み出し、卵で越冬して春先に孵化して冬ごろまで繁殖を繰り返します。

まさに害虫of害虫という生態をしていますよね!

 

↑アブラムシの生活環模式図

 

②アブラムシの被害

次にアブラムシが及ぼす被害について説明したいと思います。

 

1. 強大な繁殖力を持ち個体数を爆発的に増やすため吸汁量が爆発的に増大し植物を萎縮させる

2. 植物ウイルスを媒介する

3. 甘露と呼ぶアブラムシの排泄物に多く糖分が含まれているため、これが付着した部位にすす病という黒色のカビを発生させ、品質低下や生長阻害を引き起こす

 

アブラムシはただ植物の汁を吸って弱らせるだけでなく、植物ウイルスを媒介したり、排泄物由来の病気を引き起こしたりと二次災害も引き起こす害虫です。

 

③アブラムシの撃退法

最後にアブラムシの撃退方法をお教えします。

1, 手動タイプ

・テープを利用

粘着力が弱いテープなどを使ってアブラムシを取り除きましょう。粘着力が強いものを使うと植物を傷つけてしまう可能性があるので注意しましょう!アブラムシの発生初期には有効な撃退方法です。

2.天敵の力を借りる

・てんとう虫の力を借りる

てんとう虫はアブラムシの天敵であり1日当たり10匹以上のアブラムシを捕食すると言われています。上で書いたように「アブラムシは成虫1匹で1日5匹ほど産む」ということを考えたら早い段階でてんとう虫が1匹いるだけでアブラムシを防ぐことができます。何事も早期対策が重要です。

3.窒息させる

・牛乳を吹きかける

牛乳をそのまま、または希釈して霧吹きで散布します。乾かした後しっかりと洗い流します。洗い流さないと植物に良くありませんので念入りに洗い流しましょう。

この方法は牛乳が乾燥する時に縮む力でアブラムシ圧迫死させる。または牛乳の膜で呼吸ができないようにすると言われています。いずれにしても、アブラムシの発生が初期であればともかく、大量に発生した時には対処方法として効果はあまり期待できません。

・石鹸水を吹きかける

500mlペットボトル1本に油を2、3滴たらし、台所用洗剤も同等の量垂らします。これをスプレーボトルに入れてよく振って混ぜ合わせ、アブラムシに向けてスプレーしましょう。吹きつけた後はしっかりと洗い流しましょう。こちらも牛乳同様アブラムシを全滅できるものではありません。

4,薬剤を投与する

収穫直前まで使える薬剤もありますので一本準備しておけば安心かもしれません。

 

 

終わりに•••

みなさんここまでアブラムシのことについて書いてきましたが、少しでも勉強になりましたでしょうか?小さい虫でありながらも大きな被害をもたらすアブラムシを侮ってはいけません。また、このような害虫達や病気から野菜達を守って私たちの元まで届けてくれている農家さんがいると思うとありがたいですね。少しでもこのブログを通してアブラムシに興味を持ってくれたら幸いです!

 

 

参考文献・参考ページ

・参考文献(中央図書館にあります!)

opac.lib.niigata-u.ac.jp

 

・参考ページ

lovegreen.net

 

www.sc-engei.co.jp

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