ラボ生活入門!~これから研究室に所属するあなたへ~

こんにちは!

図書館学習サポーターの自然研C.Mです。

 

サポーターは全員が大学院生なので、

それぞれが"研究室"や"○○ゼミ"に所属しています。

 

 

大学3年生の皆さんは人によってもう研究室に入っていたり、

これから情報を集めて決める予定!という方も多いのではないのでしょうか?

 

そして、大学1~2年生にとっては

「少しずつ研究室のことを意識したいけど、そもそもどんな組織…?」

と思っている人もいるでしょう。

 

 

 

そこで、今回は研究室に所属する理系大学院生として、

「研究室とは?」「研究室の日常」「研究室の決め方」

の3点を解説していきたいと思います!

 

研究室とは?

どんな組織?

研究室とは簡単に言うと、

「同様のテーマに沿って専門的な研究を行う仲間」といったところです。

 

仲間といっても、研究室には基本的に

研究テーマの専門家である教授・准教授・助教たち教員や、

博士課程を修了し研究員として働くポストドクター

大学院の学生として研究を続けている博士(ドクター)、修士(マスター)

そして学部4年生(学部によっては3年生から配属されることも)

 

といったように、様々な立場・学年の人が所属しています。

 

研究室の基本的な研究テーマは、

その研究室の教授の専門分野で決まっていることがほとんどです。

 

人数の規模は、自分の学部では教員1人あたり各学年2~3人と言われています。

(私の研究室は教員2名、博士1名、修士1年が3名、

 修士2年が3名、4年生が5名の計14名です。)

 

 

同じ研究テーマ沿って研究する仲間、と言っても、

実際は学生一人一人が少しずつ違った題材について研究をしています。

ですが、分野は同じなので意見交換もできますし、

切磋琢磨する仲間であることは間違いありません。

 

テーマによっては複数人で協力して研究を進めたり、

企業と連携して「共同研究」という形で情報共有をすることもあります。

 

 

コアタイムとは?

「特別な事情がない限り、研究室に滞在しなければならない時間帯」

のことです。

 

例えば、コアタイムが「10:00~17:00」の場合は、

10:00までに登校し、17:00以降まで研究室活動を行う、

という生活を送ることになります。

 

コアタイムはすべての研究室にあるわけではなく、

滞在時間は完全に自由な研究室もありますし、

コアタイムはないけど、なるべく午前に来て夕方帰る、

というリズムがなんとなく定着しているという研究室も多いです。

 

 

ただし、コアタイムがなくても

「この曜日のこの時間から研究の進捗報告やゼミをする」

といったように、

参加必須の予定が毎週組まれていることもあるので、

自分の予定と両立させたいときはよく注意しましょう!

 

 

実験系・理論系とは?(理系向け)

理系学部・学科だとよく耳にする「実験系研究室」と「理論系研究室」

 

それぞれ、

実験系・・・実験を実際に行い、その結果に基づいて考察を行う

理論系・・・プログラム等を用いてシミュレーションや計算を行い、理論的考察を行う

というような研究アプローチがなされています。

 

中には、

理論系研究室がシミュレーションで予想をたてる

→実験系研究室が実際の実験でそれを検証

というように実験系・理論系で連携して研究を深めているところもあります。

 

「体を動かしながら実体験を通して研究したい!」

「じっくり自分のペースで計算を進めてみたい!」

このような希望がある場合は、

ぜひ実験系か?理論系か?に注目して情報収集してみましょう。

 

どのようなスタイルで自分の実験に取り組みたいかを、

具体的にイメージできると、研究室選びにも役立ちますね!

 

 

ということで、

ここからは私が所属する実験系研究室の生活を例として、

大学院生の日常を紹介していきます。

 

 

実験系研究室の日常

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研究室の日常

実験がある日

私の研究室の実験は待ち時間や全体の所要時間が長いため、

基本的に丸一日かけて実験を行います。

また、一日だけでは終わらないので何日かかけて実験を行います。

 

ということで、実験がある週は以下のようなスケジュールになることが多いです。

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実験がある週

測定機器は数が限られているので、

実験をしたいときは必ず他のメンバーや先生にもあらかじめスケジュールを伝えておき、使用したい測定機器かかぶらないよう調整します。

 

土日はできるだけ使いたくないのですが(笑)

実験にはどうしてもトラブルが付きものなので長引いてしまうこともありますし、

月曜から実験をスタートしたい場合には前日の日曜にある程度準備を済ませてしまうこともあります。

 

あくまで私が行う実験の例ですので、研究室によってもスケジュールは異なります。

 

ただし、実験をする!という日は一日予定を開けておく(夜にバイト等を入れない)ことがおすすめです。

 

実験がない日

実験がない日は基本的に自由な時間に登校しています。

学校についたらまずメールを確認し、

大切なアナウンスが来ていないか、提出物などの期限が迫っていないかなどを確認してから、活動を始めます。

 

研究室に入ると常に先生が口頭で指示を出してくれるわけではなく、

ある程度自分で研究生活を作ることになるので、メールチェックは非常に大事です。

 

作業も自分でスケジュールを組んで自由にやりますが、

週1でセミナーやゼミが設定されることもありますので、そこを考慮しながらスケジュールを組みます。

どの時間帯に何をするかは人それぞれなので、

自分に合った勉強スタイルを見つけることができるとベストです。

 

私の研究室はコアタイムがありませんが、

忙しくない日は学生も教員も18:00頃を目途に帰っている印象です。

私もアルバイト等はなるべく18:00以降に入れるようにしています。

 

自分に合う研究室を見つけるために

ここまで研究室とは?研究室の日常とは?について説明しましたが、

研究室ごとに文化は異なるので、

選ぶときには自分で情報収集する必要があります。

 

「こういう噂を聞いたから~」で研究室を決めるのは要注意です!

ここから先は、自分に合った研究室を選ぶときの

おすすめの情報収集の仕方を紹介します!

 

研究室を見学してみる

一番のおすすめはこれです!

先生から研究の魅力を紹介してもらえたり、

研究室の学生が実験室を案内してくれたりします。

 

気になることが直接質問でき、研究室の雰囲気もわかるので、

情報収集にはうってつけの方法だと思います。

 

ただし、見学を希望する際にはいきなり訪問するのではなく、

事前に先生にメールを出して日程を調整してから伺うようにしましょう!

 

先輩の話を直接聞く

見学はちょっとハードルが高いかな?という人、

知人に同じ学科の先輩がいる、という人におすすめです。

 

見学に行かなくても、自分で質問ができるタイミングが取れる場合は

ぜひ話を聞いてみてください!

授業のTAに授業後に質問してみるのもいいかもしれません。

希望する研究室の先輩でなくても、

隣の研究室はどんな雰囲気か?くらいであれば答えがもらえると思います。

 

 

研究室のHPを見てみる

直接話を聞く勇気はないかも…というときは、

HPを覗いてみることがおすすめです!

 

実は、研究成果やメンバー、イベントなどを周知するため、

多くの研究室がHPを持っています。

 

研究室メンバーの連絡先が掲載されていることも多いので、

見学希望のメールを出したいけどアドレスが分からない、

という場合にも見てみるといいでしょう。

 

 

確認したい3つのポイント

いざ先輩に直接話を聞くとして、何を聞けばいいんだろう…?

という方もいると思います。

 

ここから先は、どんなことを意識して質問したり

希望先を見つければいいか、について個人的なおすすめを書いていきます。

 

研究室の主な研究テーマ

研究室に入る前から各研究室のテーマを把握している人はあまりいないと思います。

が、ぜひ調べてほしいことの一つです。

 

なぜなら、自分が研究室に所属した後、モチベーションをもって研究に取り組めるかどうかに直結するからです。

 

研究室に伺うと先生や先輩学生はいいところが伝わるように!と魅力的に語ってくれると思います。

ですが、ぜひ「それを自分が取り組むとしたらどうか?」というところまでを想像してみてください。

その研究をするためにどんな勉強が必要か、も聞いてみるといいです。

日々どんなことを学ぶべきか、具体的にイメージが湧くでしょう。

 

1週間のスケジュール

特にアルバイトをしている人、それを今後も続けたいと思っている人は要確認です。

 

コアタイムで今アルバイトをしている時間帯に都合がつかなくなることもありますし、

コアタイムがなくても、実験が夜まで続く日が多いとアルバイトに都合がつけづらくなることもあります。

 

また、研究室でのゼミは、基本的に絶対に出席です。(体調不良を除きます)

研究姿勢の評価の一つとして、単位認定にも関わりますので、

アルバイトと被ることが無いよう、ゼミがどの時間に組まれているかにも注意しましょう。

 

自分の進路と合っているかどうか

就職、教員採用試験、大学院進学…様々な進路の学生がいると思いますが、

自分が望む進路に向けて活動していくうえで、不都合はないか?というところにも注目です。

 

研究室によって進路に有利不利があるということではありません。

例えば、

・教員採用試験や公務員試験の時期に参加必須の合宿がある

・就活で欠席しづらい、欠席したら土日に振り替えて研究をする必要がある

・大学院の先輩が少なく、進学後自分一人で研究を進めることに不安がある

などの場合は、

教員と交渉したり相談したりする必要があります。

 

研究室に入ってから焦ることが無いよう、よく話を聞いたり事前に相談してみたりすることが大切だと思います。

 

 

 

終わりに

ここまで「研究室とは何か?」「どんな生活を送っているか?」「研究室の選ぶときの注意は?」の3点を書いてきました。

これから研究室を選ぶ人、研究室がなんなのかよくわかってない人の助けになると嬉しいです。

 

しかし、これは研究室に3年所属してきた一個人の所感ですので、

何を基準に選ぶかは人それぞれだと思いますし、

ライフスタイルも研究室によって全く異なります。

 

自分の目でよく確かめ、自分に合った研究室を見つけてください!!

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