1年前から備える卒業研究:メリット編

こんにちは!

自然研M2 の R.I. です!

 

大学生の一大イベントと言えばやはり卒業研究・論文 (以降単に卒研と記述します) があげられるのではないでしょうか。これまでは座学で教員やテキストから何かしら学んでいましたが、卒研では自ら主体的に動く必要があります。

そんな卒研ですが、実際にどう始めてどう取り組むべきか想像が付かないのではないでしょうか。

そこで今回は卒業研究が始まる1年前から備えておくべきことや、そうすることのメリットを紹介しようと思います。

 

 

おことわり:分野によって色々状況は違う

執筆者のプロフィール

始めにおことわりを入れておきたいのですが、ひとえに卒研と言っても分野や研究室によって取り組み方は千差万別です。そもそも卒業論文を書かない研究室だってありますし、何か新しいデータを出す必要がない研究室もありますし、先行研究をまとめるだけでも良い研究室もあります。

前提として執筆者のプロフィールを上の画像で紹介していますが、私は物理学コース出身で、その中でも理論物理に分類される方に所属しています。

理論物理では実験をするというよりも、紙とペン(とコンピュータ)を使って理論的に物理の性質を解析しようとすることを試みます。

この分野では学部生の段階では新規性は求められないことの方が多く、むしろテキストや論文で勉強したことをまとめるという、いわばレポートの延長上のような取り組みをすることの方が多いです。

実際、私が実施した内容もテキストの内容をまとめて、かつ実際に自分で数値計算を実行するというものでした*1

3年の秋冬から備えておくべきこととそのメリット

1.なんとなぁくのテーマ決め

まずはなんとなぁくで良いので、テーマ決めをします

テーマが決められない場合は、上の画像右側を参考にしてみてください。

 

先輩の研究内容を参考にしてみたり、

入門書や分野全体が網羅的に書かれた書籍を一通り読んでみて、気になった内容を深掘りしてみたり、

誰と取り組むかでそのまま決めてみたり、

逆にやりたくないテーマがあればそれを除外してみたり、、

といった方法があります。

早い段階で方向が定まるだけでも嬉しいですが、勉強時間を確保しやすくなるというメリットもあります。

2.ゴール決め

なんとなぁくでテーマが決まったらゴールも決めておきたいところです。

漠然と勉強や研究を進めるよりも、ある程度目標を定めた状態でそれに向かって進んだ方がモチベーションを保ちやすい上に、迷子になりにくいです。

 

テーマやゴールを決めるって難しそう!

 

そう思われるかもしれませんが、そんなに難しく考える必要はありません。

卒業研究レベルであれば何か新発見をしなきゃいけないなんて縛りはありません*2し、新規性にこだわる必要はありません。学部生なのですからできる範囲は限られて当然です。

この本のここまで理解する!」でも良いですし、「この論文を理解する!」でも十分だと思います。

3.論文に慣れる

研究に取り組む上で避けて通れないのは論文を読むということでしょう。

実は早い段階で論文に慣れると以下の3つのような嬉しいことがあります。

 

1.英語に苦手意識を感じにくくなる

まず、論文はそのほとんどが英語で書かれているわけですが、この言語の壁というのは中々大きいです。慣れていない学生さんであれば早い段階で触れておくことに越したことはないでしょう。

 

2.文献探しが上手になる

論文って読むことも大事ですが、探すことも大事です

何がどこまでわかっているのかを把握するためには、この探すというスキルが関わってくるんですね。

大抵は"Google Scholar"や"CiNii"を使うことになるのでしょうか。

これも分野によって異なると思います。*3

読む論文が決まるとその参考文献から芋づる式に読むべき論文が見つかります。楽ですが大変です......

 

3.どこを読むべきかわかるようになる

論文は読む順番も大事だったりします。

感覚としては実用書や専門書に読み慣れるような感覚です。みなさん最初の頃は専門書を読むのにだいぶ苦戦していた*4と思いますが、ある程度慣れるとどこにどんな内容が書かれているかおおよその見当が付くと思います。

まず最初に目次や「はじめに」を読んで、ほしい内容を拾い読みする。

これを論文でもできるようになればだいぶ楽になります。

具体的な方法は別記事でまとめるとします。

では実際にどう進めていくのか(別記事で紹介)

以上が1年前から卒業研究に備えておくメリット関する内容でした。

では実際にどうやって1年前から卒業研究に向けて動き出すべきなのかということを紹介したいのですが、長くなりそうなのでこれは別記事にまとめました。

是非一読してください!

niigatau-lib-lss.hateblo.jp

*1:とは言っても式変形が不十分だったり、数値計算の方法が載っているわけではなかったので、いざ自分でやるとなると結構大変でした。

*2:少なくとも理論物理ではそうです

*3:ちなみに私は”ADS"というNASAが公開しているものを使っています。天文学や宇宙物理学を研究している人はもっぱらこれを使っていると思います。

*4:私は今でも苦戦していますが......

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